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業績リスト
論文とか学会発表とか解説とか….
こうやってみると, もっとちゃんと論文を書かないといけないと
ひしひしと感じますね….
学位論文
- 花原 和之, 知的適応トラスの機構と動作, 大阪大学学位論文, 1993.1
適応トラスは静定トラスのトポロジを持ち, 部材長さの調節によりその形態および力学的特性を目的に応じて変化させる機械システムである. 適応トラスの機構学的ならびに動力学的特性について, 特に実現の際に不可避である節点オフセットの影響について考察した. また, このようなメカニズムの特徴である冗長自由度の活用についてモジュール形ニューラルネットワークによるアプローチを示し, そのトランスピュータによる実装についても検討を加えた.
学術論文・国際会議発表
- 木本 日出夫, 花原 和之, "キャビテーション気泡挙動の簡易観測装置の試作実験", 日本機械学会論文集(B編) 55巻509号, 8-12, 1989.1
キャビテーション研究において, 発生する気泡の挙動を観測することは非常に重要である. 本研究では, CCDリニアイメージセンサを高速で駆動し, 一次元ながら, キャビテーション気泡の膨張・収縮挙動を光学的に観測する装置を試作した. 試作した装置の分解能は128画素であり, 37マイクロ秒毎のキャビテーションの一次元画像を33ミリ秒の間観測・記録することができる. 本装置を固体壁面近傍で発生させた水中放電気泡の挙動観測に適用し, その有用性を確認した. また, この試作実験を通して, 固体壁面近傍のキャビテーション気泡の壁面からの距離による挙動の違いに関する新たな知見が得られた.
- Masao Tanaka, Yasuyuki Seguchi and Kazuyuki Hanahara, "An Experimental Study of a Truss-Type Parallel Manipulator", Proceedings of 20th International Symposium on Industrial Robots, 521-528, 1989.10
冗長な機構的自由度を保有するトラス形並列ロボットアームの試作システムを製作し, その実現可能性の検証を行った. 冗長自由度の活用した, 同一の作業空間を達成する際の複数の作業姿勢について, 試作システムによる実例を示した.
- 田中 正夫, 瀬口 靖幸, 花原 和之, 山口 智久, 野田 将之, 藤田 雅成, "立体トラス形並列アームの実システムとその機構学", 日本機械学会論文集(C編) 55巻519号, 2754-2762, 1989.11
立体トラス形アームは, 大型宇宙構造物の分野で注目を集めている展開トラス構造を高多自由度なアームとして発展させたものである. このアームは, 立体静定トラスの部材を伸縮可能な可変長部材で置換したもので, 本質的に並列形の機構となっている. これまでの研究では, アームの部材が理想的な点で連結されたトラス構造をとることを想定した初期的な研究であったが, トラス形の並列アームシステムを具体化するにあたっては, 部材の集中する節点部を含めた, メカニズムに関するより詳細な考察が必要となる. 本研究では, ヘリカルマスト構成のトラス形アームを対象に, 実用化のためのプロトタイプモデルを試作し, それに基づく機構学について検討を加えた.
- Masao Tanaka, Yasuyuki Seguchi and Kazuyuki Hanahara, "Motion/Configuration Control of Truss-Type Parallel Manipulator with High Redundancy (A New Approach by Modular Neural Network)", Proceedings of Japan-U.S.A. Symposium on Flexible Automation, Volume I, 329-336, 1990.7
トラス形並列マニピュレータは, トラス構造物の部材を可変長とすることによりメカニズムを構成し, それをロボットマニピュレータとして利用しようとするものである. このようなメカニズムに対し, 階層形ニューラルネットワークの学習手順である誤差逆伝播法を用いた動作生成法を提案し, ニューラルネットワークのモジュール化による学習の効率化について検討した.
- Kazuyuki Hanahara, Masao Tanaka and Yasuyuki Seguchi, "Modular Neural Networks for Motion Control of the Truss-Type Redundant Robot Arm", Proceedings of International Symposium on Artificial Intelligence, Robotics and Automation in Space, 153-156, 1990.11
トラス形冗長ロボットアームのモジュール形ニューラルネットワークによる動作制御について検討し, ニューラルネットワークのモジュール化に対応した並列処理のトランスピュータによる実現についての基本的な研究を行い, その実現可能性を示した.
- Yasuyuki Seguchi, Masao Tanaka and Kazuyuki Hanahara, "Criteria-Oriented Configuration Control of Adaptive Structure and Its Modular Neural Network Representation", First Joint U.S./Japan Conference on Adaptive Structures, 402-421, 1990.11
代表的な適応構造物である適応トラスの評価規範に基づく姿勢制御に, モジュール形ニューラルネットワークを用いる. 基本要素であるトラスモジュールの機構関係に相対的な表現を用いることにより, ニューラルネットワークの学習効率, 全体ネットワークの柔軟性が向上した.
- 田中 正夫, 花原 和之, 瀬口 靖幸, "モジュール形ニューラルネットワークモデルによるトラス形高冗長並列アームの姿勢制御", 日本機械学会論文集(C編) 57巻533号, 189-195, 1991.1
トラス形アームは, トラス構造物の部材を可変長とすることによりメカニズムを構成し, それをロボットアームとして利用しようとするものである. 静定トラスのトポロジを持つ場合には, すべての部材長を可変とし, それぞれ独立に長さを調節することができるため, このアームは非常に多くの自由度を持つ高冗長システムとなることが可能である. このような多数の自由度を持つシステムに対し, 本論文では, 階層形ニューラルネットワークモデルを用いたトラス形アームの順・逆運動解析の考え方と評価基準に基づく姿勢決定について報告している. ネットワークモデルの構成に当たっては, 小規模のネットワークモジュールを準備し, それを組み上げるモジュール化構成法を採用した. これにより, 種々の構成のトラス形アームに柔軟に対処することが可能となった.
- Masao Tanaka, Yasuyuki Seguchi and Kazuyuki Hanahara, "Kinematics of Adaptive Truss Permitting Nodal Offset (Configuration and Workspace Reach)", Journal of Intelligent Material Systems and Structures, Volume 2, No.3, 301-327, 1991.7
静定トラスのトポロジと可変長部材を持つ適応トラスの実現のためには, 節点オフセットの導入が必要不可欠である. 部材を接続するジョイントの自由度について検討し, 節点オフセットを考慮した機構学関係式の導出を行った. 節点オフセットの影響について考察し, 可変長部材のストロークおよびジョイントの回転角範囲を考慮した, 作業空間における可到達範囲の探索アルゴリズムを提案し, その計算例を示した.
- Kazuyuki Hanahara, Masao Tanaka and Yasuyuki Seguchi, "Statistical Motion Control of Truss-Type Mechanism with Large Number of Inaccurate Actuators", Computational Mechanics '91 (Theory and Applications), 346-351, 1991.8
トラス形メカニズムは非常に多くの機構的自由度を保有することが可能である. このような場合には, 個々のアクチュエータが不正確なものであっても, 全体としては目的の動作の達成が可能となることをシミュレーションを通じて示した.
- Masao Tanaka and Kazuyuki Hanahara, "Motion Planning of Truss-Type Robot: Acquisition and Representation of Criterion by Modular Neural Network", Proceedings of IEEE/RSJ International Workshop on Intelligent Robots and Systems'91 Volume 2, 829-834, 1991.11
トラス形ロボットアームの動作計画にニューラルネットワークを用いることにより, 数理的な表現が困難な動作評価規範であっても, 動作試行に基づいた学習による獲得が期待できる. コンピュータによるシミュレーションを用い, そのような試行を通じた規範の学習について研究を行った.
- Masao Tanaka, Kazuyuki Hanahara and Yasuyuki Seguchi, "Configuration Control of the Truss-Type Parallel Manipulator by the Modular Neural Network Model", JSME International Journal Series III, Volume 35, No.1, 89-95, 1992.3
- 田中 正夫, 花原 和之, "適応トラスの動作規範獲得 (モジュール形ニューラルネットによる実現)", 日本機械学会論文集(C編) 58巻550号, 1735-1741, 1992.6
適応トラスはその保有する多くの冗長自由度を活用し, 様々な環境・条件に適応しつつ, 目的とする作業を達成することが期待される. ニューラルネットの学習機能を利用することにより, 適応の程度を評価する規範 (動作評価規範) の数理的な表現が困難である場合にもその獲得が可能となることを, 規範として人間の評価者の嗜好を用いることにより示した.
- Kazuyuki Hanahara and Masao Tanaka, "Dynamic Simulation of Truss-Type Flexible Redundant Parallel Mechanism Permitting Nodal Offset", Proceedings of the Japan-U.S.A. Symposium on Flexible Automation, Volume 1, 143-146, 1992.7
節点オフセットを考慮した場合のトラス形並列メカニズムの動力学関係式の定式化を行い, 節点オフセットが動力学的特性に及ぼす影響が顕著であることをシミュレーションにより示した.
- Masao Tanaka and Kazuyuki Hanahara, "Adaptive Design System for Intelligent Structure by Modular Neural Network", Proceedings of the Japan-U.S.A. Symposium on Flexible Automation, Volume 1, 227-230, 1992.7
知的構造物においては, 構造設計のプロセスは運用中にもアクティブである必要がある. このような設計プロセスへのニューラルネットワークの適用について研究を行い, アクチュエータの故障などに対する, 設計プロセスの適応能力についてシミュレーションを通じて検討を行った.
- Masao Tanaka and Kazuyuki Hanahara, "Stochastic Approach to Static Control of Adaptive Truss under Imperfection of Adjustable Member Lengths", Journal of Intelligent Material Systems and Structures, Volume 3, No.4, 617-630, 1992.10
数多くの可変長アクチュエータを保有する適応トラスでは, 個々のアクチュエータが不正確であっても, 全体としての目的の動作の達成が可能である. このようなアプローチにおける有効な評価規範について検討し, また, アクチュエータの損傷の影響を大域的に評価するためのパラメータの導入について考察を行った.
- Masao Tanaka and Kazuyuki Hanahara, "Simulation Study of Dynamic Properties and Nodal Offset of Truss-Type Parallel Mechanism", Robotics, Mechatronics and Manufacturing Systems, 51-56, 1993
節点オフセットを考慮したトラス形並列メカニズムの動力学シミュレーションならびに固有振動数の評価を行い, オフセットの導入による動力学特性の変化が, 曲げおよびねじりを受ける縦部材の剛性に大きく依存するものであることを示した.
- Masao Tanaka and Kazuyuki Hanahara, "Adaptive Design Capability for Intelligent Truss by Neural Network", Third International Conference on Adaptive Structures, 590-603, 1992.11
知的トラスにおいては, 環境の変化に対する適応動作は, 運用中に行われる設計プロセスであるとしてとらえることができる. モジュール形ニューラルネットワークを用いた設計および適応のプロセスの統合的な取扱い, ならびにそのような観点からの問題の定式化について述べる.
- Kazuyuki Hanahara, Yoshihiko Sugiyama and Masao Tanaka, "Analysis of Feasible Design Window (A Neural Network Approach)", Proceedings of the Japan-U.S.A. Symposium on Flexible Automation, Volume II, 885-888, 1994.7
工学設計問題における制約条件を満たす解の領域, すなわち, 設計可能領域の探索について述べる. 等式制約および不等式制約によって表される設計問題に対し, 目標計画法の考え方に基づく, 領域が非凸である場合にも適用可能な境界探索の手法を提案する. この問題に対する階層形ニューラルネットを用いた最適化手法の適用について検討を行い, その有効性について考察を加える. 固有振動数を制約とした場合のトラス構造物の設計問題に適用し, 設計可能領域の探索例を示す.
- Kazuyuki Hanahara and Yoshihiko Sugiyama, "Recursive Architecture for Large Scale Adaptive System", Second European Conference on Smart Structures and Materials, 51-54, 1994.10
大規模適応システムに対して全体と部分が相似であるという自己相似性を適用する, 再帰的アーキテクチャの提案. 複数プロセッサシステムの利用, 適応トラス構造物に対する適用例について述べる.
- Kazuyuki Hanahara, Yoshihiko Sugiyama and Masao Tanaka, "Nodal Offset Allocation and Motion Planning of Adaptive Truss", Fifth International Conference on Adaptive Structures, 592-601, 1994.12
本論文では, 適応トラスの実現に際して不可避となる, 節点オフセットを考慮した適応トラスの動力学について検討した. 節点オフセットを考慮した動力学関係式の定式化を行い, 節点オフセットを考慮しない場合との統一的な取り扱いを示した. Lagrangeの運動方程式を導き, 節点オフセットが動力学的特性に及ぼす影響について, 動力学シミュレーションおよび固有振動数を通じて検討を行った. 適応トラスの動力学的特性を考慮した節点オフセットについて, 最適設計の観点から考察を行い, 固有振動数に着目した節点オフセットの決定例を示した. また, 適応トラスの動作計画のための冗長性の有効利用のひとつとして, 振動を抑制するための評価基準を提案し, それに基づいた動作の動力学シミュレーションを通じて, その有効性を検証した.
- Kazuyuki Hanahara and Yoshihiko Sugiyama, "The Application of Self-Similarity to a Large Scale Adaptive System: Proposal of Recursive Architecture", Smart Materials and Structures, Vol.4, No.3, 186-194, 1995.9
全体と部分が相似であるという自己相似性は, 自然界に広く見られる構造である. 本論文では, 自己相似構造の工学システムへの応用である再帰的アーキテクチャを提案した. 大規模な工学システムに自己相似性を付与することにより, 規模に依存しないシステム構成, 部分システムの独立性といった特徴を用いて, 拡張性・耐故障性に優れたシステムの構築が期待できる. 自己相似構造を持つ工学システムの数理モデルの定式化を行い, 最適化手法, マルチプロセッサシステム, 損傷からの回復手順を検討した. また, 自己相似構造を持つ適応トラスのシミュレーションを通じて, 提案した再帰的アーキテクチャの有用性の検証を行った.
- Kazuyuki Hanahara, Yoshihiko Sugiyama and Masao Tanaka, "Workspace Analysis of Adaptive Truss as Space Manipulator", Sixth International Conference on Adaptive Structures, 429-438, 1995.11
可変長部材のストロークのみならず節点部におけるジョイントの回転角範囲を考慮した適応トラスの作業空間は, 非線形連立不等式の解空間として表される. 線形化による解の逐次的な探索手法を提案し, 18自由度の適応トラスの作業空間の解析例を示す.
- Kazuyuki Hanahara and Yoshihiko Sugiyama, "Multi-Dimensional Feasible Region of Design Problem in Terms of Linear Constraints", Proceedings of the Japan-U.S.A. Symposium on Flexible Automation - 1996 -, Volume 1, 633-636, 1996.7
複数の線形不等式制約で表される設計問題に対し, 単一の実行可能解ではなく解空間自体を設計変数空間上の頂点の集合として求める手法を提案する. トラス構造物を例に, その応用例を示す.
- Kazuyuki Hanahara, Yoshihiko Sugiyama and Hideki Anshita, "Statically Indeterminate Geometry Adaptive Truss with Wire Members", Seventh International Conference on Adaptive Structures, 163-170, 1996.9
適応トラスの可変長部材 (アクチュエータ) としてのワイヤ部材の適用について検討する. 軽量, 巻き取り可能といった, ワイヤを用いることの特徴について検討し, ワイヤ部材を用いることにより可能となるミッションについて考察を行った.
- 花原 和之, 杉山 吉彦, "長大トラス構造物の全体座屈解析", 日本機械学会論文集(A編) 63巻606号, 406-411, 1997.2
長大なトラス構造物においては, 個々の部材の座屈 (局所座屈) に加えて構造物全体としての静的不安定 (全体座屈) を考慮する必要がある. 固有値問題として全体座屈条件を定式化し, 幾何学的非線形性を考慮した場合の解析手法を提案した. 柱状トラスならびに半円状トラスの解析例を通じてその有効性を確認した.
- 花原 和之, 田中 正夫, 杉山 吉彦, "節点オフセットを考慮した適応トラスの動力学", 日本機械学会論文集(C編) 63巻606号, 371-379, 1997.2
幾何形状が可変となる適応トラスの実システム構築の際に導入される, 節点オフセットの存在を考慮した適応トラスの実モデルの運動方程式を導出した. 理想トラスに基づく概念モデルとの統一的な表現による取扱いが可能であることを示し, 節点オフセットが動力学的特性に与える影響について考察した. 節点オフセットの最適設計問題を定式化し, 非線形計画法の解法であるシンプレックス法によって設計解を求め, 達成された動特性によりその有効性を確認した.
- 花原 和之, 杉山 吉彦, 田中 正夫, "動的ふるまいを考慮した適応トラスの動作計画 (冗長自由度の活用による振動の軽減)", 日本機械学会論文集(C編) 63巻608号, 1139-1145, 1997.4
適応トラスの保有する冗長自由度を活用し, 振動を軽減するような動作の生成を行った. ひずみエネルギに着目した動作評価規範を定式化し, 一般化逆行列を用いた増分形動作計画問題の解を示した. また, 提案したアプローチが節点オフセットを考慮した実モデルにおいても有効であることをシミュレーションを通じて検証した.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Optimal Engineering Design Based on Self-Similarity", Proceedings of International Symposium on Optimization and Innovative Design, 142-144, 1997.7
資源配分型アプローチによる自己相似構造物の最適設計を提案する. 明確な自己相似性を持たない構造物への適用について考察し, 二次元トラス構造物の設計例を示す. 計算コストおよび必要となる記憶容量についても検討し, 提案手法の有用性を確認した.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Optimal Design of Truss Structure Considering Global Buckling", Proceedings of The Australasian Conference on Structural Optimization, 149-156, 1998.2
全体座屈を考慮したトラス構造物の最適設計について考察する. 部材断面積を設計変数とし, 与えられた質量を保ちつつ全体座屈荷重を最大とする, 資源配分型の最適設計のアプローチを示す. 位相ならびに形態の設計について検討し, 二次元柱状トラスによる計算例を示す.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Design and Motion Planning of Geometry Adaptive Truss with Binary Actuators", Eighth International Conference on Adaptive Structures and Technologies, 309-318, 1997.10
二つの状態のみを取るアクチュエータ(二値アクチュエータ)を可変長部材とする適応トラス構造物の設計および動作計画について考察する. アクチュエータのとる二つの状態を適切に設計することにより, 作業空間に設定された可到達範囲における到達精度を大きく改善することができる. また, 遺伝的アルゴリズムを適用した動作計画についても検討している.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Motion Planning of Geometry Adaptive Truss with Binary Actuators Taking Account of Actuating Sequence", Proceedings of the Japan-U.S.A. Symposium on Flexible Automation - 1998 -, Volume II, 539-542, 1998.7
状態から状態への遷移過程を制御できない二値アクチュエータによって構成されるメカニズムにおける, 適切なアクチュエーション順序について考察した. 問題の定式化および解法について述べるとともに, 二値アクチュエータを可変長部材とする適応トラス構造物の動作計画におけるシミュレーション例を示した.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Kinematics and Motion Planning of Geometry Adaptive Truss with Wire Member Actuators", Proceedings of the Fourth International Conference on Intelligent Materials, 152-153, 1998.10
剛な固定長部材と可変長であるワイヤ部材によって構成される適応トラス構造物に関する研究. このようなメカニズムの特徴について述べ, 三角柱状適応トラスの場合の可能なトポロジを示し, 運動学関係式の定式化および動作計画手法について報告している.
- Kazuyuki Hanahara, Yoshihiko Sugiyama and Masao Tanaka, "Motion Planning of Kinematically Redundant Adaptive Truss (Use of Redundancy for Vibration Reduction)", JSME International Journal Series C, Volume 41, No.4, 852-859, 1998.12
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Optimal Structural Design Based on Self-Similarity", AIAA Journal, Vol.37, No.1, 110-117, 1999.1
自己相似的な性質の最適構造設計への適用に関する研究を行った. 問題の再帰的定式化においてはその対象とする規模に依存しない記述を可能とする表記法を提案している. また, このような定式化による最適計算過程の計算コストの理論的検討も行っている. 二次元トラス構造物の最適設計計算例を通じ, 提案手法の有効性ならびに計算コストの評価の妥当性を確認している.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Self-Similar Adaptive System for Space Application", Tenth International Conference on Adaptive Structures and Technologies, 339-345, 1999.10
自己相似性を持つ工学システムには, その規模に依存しないシステム記述, メンテナンス性, 自律分散的システム構築の容易さ, といった特長が期待できる. このような考え方にもとづく多目的軌道上プラットフォームの提案と, 運動量の保存に起因するタスク間干渉の解消の手法, その再帰的記述について述べている.
- Kazuyuki Hanahara, Yukio Tada and Yasuhiro An, "Reducing Elastic Vibration of Robot Arm by Means of Redundant DOFs (Experimental Demonstration with 2D Arm)", Proceedings of the Asia-Pacific Vibration Conference'99, Vol.2, 917-922, 1999.12
弾性変形に起因するメカニズムの動力学的振動をひずみエネルギに着目した動作計画によって軽減する手法の, 二次元柔軟ロボットアームへの適用例. 動力学シミュレーションおよび実験によって, 提案手法の有効性を確認している.
- 花原 和之, 多田 幸生, "ワイヤ部材を用いた不静定適応トラス (トポロジの設計と運動学)", 日本機械学会論文集(C編) 66巻642号, 539-544, 2000.2
ワイヤ部材を可変長アクチュエータとする適応トラスは, 様々な外力に対して安定であるために, 不静定なトポロジを保有することとなる. このようなメカニズムの静的な安定解析の手法を提案し, これにもとづいた可能なトポロジの計算例を示している. また, 不静定性を考慮した運動学関係式の定式化および動作計画手法について報告し, ワイヤを用いた適応トラスの特徴的なふるまいのシミュレーションを示している.
- Kazuyuki Hanahara, Yukio Tada and Masaharu Ukeda, "Distributed Autonomous System Based on Self-Similarity", Proceedings of the 2000 Japan-U.S.A. Symposium on Flexible Automation, Paper No. 2000JUSFA-13083, 2000.7
自己相似的なアプローチによる自律分散システムについての研究. 複数マイクロプロセッサによるシミュレーションシステムを構築し, システムの構成要素の特性のばらつき等を考慮したシミュレーションを行った. 樹状システムのシミュレーション例では, 自然界に存在する樹木と類似の結果が得られた. (4頁)
- Kazuyuki Hanahara, Yukio Tada and Yasuhiro An, "An Optimal Design of 2D Redundant Robot Arm (From the Viewpoint of Motion Planning for Vibration Reduction)", Proceedings of the Fifth International Conference on Motion and Vibration Control, Volume 1, 109-114, 2000.12
ロボットアームの動力学的振動を動作計画により軽減するアプローチにおける, アームの最適設計に関する研究. 問題の定式化および遺伝的アルゴリズムによる最適化について述べている. また, 最適化の効果を動力学シミュレーションにより確認している.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Design of Statically Indeterminate Geometry Adaptive Truss with Wire Member Actuators", Eleventh International Conference on Adaptive Structures and Technologies, 227-234, 2000.10
ワイヤ部材を可変長アクチュエータとする幾何形状適応トラスは, 一般に, 不静定のトポロジを保有する必要がある. このような場合, 部材間の干渉の取扱いが重要な問題のひとつとなる. 本研究では運動学の観点からこの問題を取扱い, 干渉を考慮した設計およびこの条件を制約として取扱う動作計画について検討した.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "A Recursive Structural Design Approach", Proceedings of the Fourth World Congress of Structural and Multi-Disciplinary Optimization, 2001.6
構造最適設計問題の再帰的取扱いに関する研究. 再帰的最適化手法においては, 幾何形状が異なっていても, そのトポロジが再帰的であれば問題なく適用できる. このような観点から設計対象が幾何学的制約条件を受ける場合の再帰的最適化手法の適用について述べ, 二次元トラス構造物への適用例を示した.
- Kazuyuki Hanahara, Yukio Tada, Masaharu Ukeda and Keiichi Ashida, "A Simulation Environment for Multi-Autonomous System by Means of Multi-Microprocessor", Proceedings of the World Manufacturing Congress 2001, Paper No. 1914-091, 2002.4
自律分散システムの研究を行ってゆくためには, 実際的なシミュレーション環境の構築が必要である. 複数マイクロプロセッサ・システムを用い, システム構成要素間の非同期性, 特性のばらつき等を考慮したシミュレーション環境を構築した. また, AGV(自動搬送車)システムによるシミュレーション例を示した.
- 花原 和之, 多田 幸生, "自己相似構造物の再帰的最適化", 日本機械学会論文集(A編) 68巻669号, 828-834, 2002.5
自己相似性を活用した構造最適化における幾何学的特性(構造のトポロジ)の影響について詳細に検討した. 各階層における記述が問題の規模に依存しない, 実質的自己相似構造の導入について考察し, 計算コストおよびその並列計算への適用性について理論的に検討した. また, 提案手法を二次元トラスの最適設計例により検証した.
- Keiichi Ashida, Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "A Study on Decentralized Autonomous AGV System (A Reinforcement Learning Approach)", Proceedings of the 2002 Japan-U.S.A. Symposium on Flexible Automation, Volume I, 541-544, 2002.7
自動搬送車 (AGV) の動作生成を自律的かつ分散的に行うアプローチを取扱っている. 動作生成手法の形成には強化学習を用いるが, 類似の条件に対し, 類似の評価手順を用いることにより, 効率的な学習を可能とした. シミュレーションにより提案手法の有効性について検討している.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Motion Control of Mechanical System Having Distributed Actuators", Mechanical & Aerospace Engineering, Proceedings of the Second World Engineering Congress, 65-70, 2002.7
多数のアクチュエータを分散して保有する機械システムにおいては, 個々のアクチュエータの制御に拘泥することなく, それらを分布的な存在として統計的な評価に基づいて取扱うことによる動作制御が可能となる. そのための基本的な考え方を示し, ニューラルネットワークを用いた動作生成手順について検討し, シミュレーションにより有用性を検証している.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Motion of Variable Geometry Truss for Momentum Management in Spacecraft", AIAA Journal, Vol.40, No.8, 1673-1676, 2002.8
軌道上に多目的プラットフォームとなる人工衛星を配置することは, 衛星数の低減, リソースの共有といった観点から有望であるが, 実装されるサービス間の干渉が問題となる. 本研究では, 可動部分を保有するサービスのプラットフォームへの実装を可変形状トラスを用いて行うことを想定し, 運動量保存則の影響による干渉を解消しつつ目的を達成する動作について検討し, 動力学シミュレーションよりその効果を示した.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "A Generalization of Recursive Optimal Design Approach", Proceedings of the Second China-Japan-Korea Joint Symposium on Optimization of Structural and Mechanical Systems, 701-706, 2002.11
対象に何らかの形で自己相似構造を導入して最適設計を行う再帰的最適設計の基本的な考え方は汎用的であるが, そのためには定式化を工夫する必要がある. 本研究では一般的な連続体構造を有限要素分割により扱い, これに基づく再帰的最適設計の適用を取扱っている. 背景構造の構築に同一空間における異なる有限要素の重ね合せという手法を用い, トラス構造に対して提案した手法を自然な形で拡張している. 計算例を示し, その有効性について検討している.
- Hanahara, K. and Tada, Y., "Dynamic Behavior of Truss-Type Parallel Mechanism with Actuated Wire Members", Proceedings of the 11th International Conference on Advanced Robotics, 1793-1798, 2003.6
可変長部材としてワイヤを用いたトラス形並列メカニズムの動力学を扱っている. この場合, 圧縮時と引張時でその剛性が極端に異なるというワイヤ部材の力学的特性の取扱いが重要な問題となる. これらの特性を考慮した微分方程式の定式化を行い, 構造急変の時刻の精度を勘案した時間ステップ可変の数値積分法を提案する. 動力学シミュレーションによりその有効性を検討した.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Dynamics of Geometry Adaptive Truss with Wire Member Actuators", Thirteenth International Conference on Adaptive Structures and Technologies, 403-412, 2002.10
可変長のワイヤ部材をアクチュエータとする幾何適応トラスの動力学を取扱っている. 圧縮時に剛性を持たないというワイヤ部材の特性を考慮した運動方程式の定式化を示し, そのような微分方程式の数値積分を定式化している. 動力学シミュレーションを行い, 駆動ワイヤ部材長の誤差が動力学的特性に及ぼす影響等について評価している.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "An Optimal Design of Wire-Actuated VGT Taking Account of Dynamic Property", Fourteenth International Conference on Adaptive Structures and Technologies, 503-512, 2003.10
可変長のワイヤ部材によるVGT (可変形状トラス) は不静定のトポロジを持ち, 固定長の剛部材と可変長の駆動ワイヤ部材によって構成される. 本研究では剛部材とワイヤ部材の配置がVGTの動特性に及ぼす影響を考慮し, ある種の固有周期を評価規範とした場合の最適設計例を示している. また, 動力学シミュレーションによって設計解の有効性を確認している.
- Shigeki Takase, Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Generating Robot Arm Motion by Observing Human Arm Motion (An Inverse-Problem Approach)", Proceedings of the 2004 Japan-U.S.A. Symposium on Flexible Automation, Paper No. JS032, 2004.7
ロボットへのタスク教示の手法として人間の動作の模倣によるものを考える. 本研究においては, 特殊なマーカ類を必要としない, ビデオカメラによる画像情報のみにもとづく動作取得を取扱っている. ロボットの関節変数に対応する画像を生成する順問題と, これに基づいてカメラにより得られた画像との差異を最小化する関節変数を求める逆問題の組合せによる手法を提案した. 腕の画像からのロボットアームの動作生成を行い, 提案手法の有効性について検討を行った.
- Yukihiro Yoshida, Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Multi-Criteria Optimal Design of Robot Arm with Discrete Design Variables (A Knowledge-Oriented Approach to Combinatorial Problem)", Proceedings of the Third China-Japan-Korea Joint Symposium on Optimization of Structural and Mechanical Systems, 601-606, 2004.10
実際的な最適設計問題では設計変数が離散値を取ることが少なくない. このような場合, 単純には全ての可能性を列挙することにより最適解が得られるが, 一般的には非現実的である. 本研究では, 離散設計変数による多自由度のロボットアームの最適設計を, 2自由度ロボットアームの評価値に基づく, 一種のメタ知識を用いて取扱う. アーム全体の剛性と質量を目的関数とする最適設計の例を示す.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Variable Geometry Truss Actuated by Wire Members (Basic Consideration on Practical Actuation Mechanism)", 15th International Conference on Adaptive Structures and Technologies, 2004.10
ワイヤ部材により駆動される可変形状トラスでは, プーリ等の利用により, ワイヤ長調整に用いる巻取り・巻戻しのためのアクチュエータの柔軟な配置が可能となる. アクチュエータの配置については, 単純な節点部配置, プーリを介したベース配置に加え, 複数の部材を構成するワイヤを共通とし, 節点部において駆動のみを行うアクチュエータを配置し, 巻取り・巻戻しをベースのアクチュエータのみで行うという構成も可能である. これらについて動特性等を考慮した評価を示している.
- Kazuyuki HANAHARA and Yukio TADA, "Taking Account of Non-Recursive Condition in Recursive Optimization (Dealing with Member Buckling in Truss Structure Design)", CD-Rom Proceedings of 6th World Congress on Structural and Multidisciplinary Optimization, Paper No. 921, 2005.5
再帰的最適化手法における, 再帰的に記述できない条件の取り扱いについて考察する. このような条件を再帰的最適化の枠組みに組み入れるためのデータ構造について述べ, その具体的な適用例としての部材座屈の取り扱い例を示す. 計算例を示し, 有用性について検討する.
- Satoshi Ohno, Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Parallel Processing for Recursive Optimal Design of Self-Similar Truss (Computational Efficiency Based on Processor Group Dividing Method)", Proceedings of III European Conference on Computational Mechanics Solids, Structures and Coupled Problems in Engineering, 2006.6
再帰的最適設計の計算過程は, 本質的に分割と統合によって行われる. このため, 一度定式化が行われたならば, その計算処理の自然な形での分割が可能である. このような最適化手法に並列計算を適用する場合のいくつかの点について議論し, プロセッサグループ分割法の適用による取扱いを示す. また, 並列計算機による計算例を通じ, 提案手法の効果について検討する.
- Kazuyuki HANAHARA and Yukio TADA, "A Recursive Optimization of Pathway Layout for Automated Guided Vehicles", Proceedings of 2006 International Symposium on Flexible Automation, Paper No. 0130-a(S), 2006.7
再帰的最適化を自動搬送台車 (AGV) の通路設計最適化問題に適用する. これは, 空間 (平面) 上に定められた複数の点の間での物資の輸送をAGVによって行う場合に必要となる通路とその太さ (充実度) を, 輸送量を考慮して決定するものである. 再帰的最適化の観点から背景経路法と経路要素の電気抵抗モデルにもとづく問題の定式化を行った. 計算例を示し, その有効性を検証した.
- K. Hanahara, K. Kakihara, Y. Tada and Y. Usami, "A Prototype of Wire-Actuated Variable Geometry Truss (Design and Kinematics of 2D Experimental System)", Proceedings of ICAST2006: 17th International Conference on Adaptive Structures and Technologies, 187-194, 2006.10
直動アクチュエータとしてワイヤを用いた可変形状トラスの実現のためには, 節点部に関する検討が必要不可欠である. 本研究では, 二次元の試作システムを対象としてその設計と運動学について議論している. 節点部に用いられるプーリの大きさを考慮した運動学関係式の定式化を示し, 試作システムによる動作例を通じ, システム実現のための問題点について検討を行った.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Application of Recursive Optimization to Large-Scale Pathway Layout Problem", Proceedings of the First International Conference on Multidisciplinary Design Optimization and Applications, 2007.4
大規模経路最適化問題への再帰的最適化の適用を行った. 経路要素を電気抵抗としてモデル化し, 経路の太さを輸送量にもとづいて決定する. 実質的な自己相似構造を導入して問題を解くことにより取扱う行列の規模を抑制することができるため, 50のパターンにより構成される, 1024の格子点からなる問題を比較的短時間で解くことができることを示した.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Human-Robot Interaction by Means of Hand-Clapping Language (A Feasibility Study)", CD-ROM Proceedings of HCI International 2007, 2007.7
人間-ロボット間の相互交流を手拍子等の単純音で行う手法を取扱っている. 人間にとっての聞き取り易さ等を考慮したこのようなコミュニケーションのための言語を設計し, その実現可能性について検討を行った.
- Kazuyuki Hanahara, Yukio Tada and Takashi Muroi, "Human-Robot Communication by Means of Hand-Clapping (Preliminary Experiment with Hand-Clapping Language)", Proceedings of 2007 IEEE International Conference on Systems, Man and Cybernetics, 2995-3000, 2007.10
人間-ロボット間のコミュニケーションを手拍子等の単純音にもとづいて行う手法について研究を行った. ワンチップマイコンを用いて実装した単純なセンシング機器とシミュレーション環境による実験装置を構築した. 設計した手拍子言語による, ロボットと人間の間のコミュニケーションの基本的な可能性を示した.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Resource-Based Optimal Design of Truss Structure Taking Account of Global and Local Buckling", Proceedings of Fourth International Conference on Theoretical, Applied, Computational and Experimental Mechanics, 2007.12
トラス構造の設計に際しては部材の座屈, すなわち局所座屈を考慮する必要がある. トラスが全体として細長い形状を持つ場合には, これに加えて個々の部材が座屈することなく全体として静的不安定に陥る全体座屈にも留意する必要がある. 本研究ではこのような局所座屈と全体座屈の双方を考慮した最適設計を取り扱う. 質量の各部材への再配分を基礎とする資源配分型のアプローチを適用し, 計算例を示した.
- K. Hanahara and Y. Tada, "Keeping Object in Specified Region (An Application of Wire-Actuated Variable Geometry Truss)", Proceedings of the 18th International Conference on Adaptive Structures and Technologies, 2007.10
ワイヤはあるいはケーブルは圧縮に対する剛性を持たないという力学的特性を持つ. ワイヤ部材を可変長アクチュエータとする可変形状トラスにおいては, このことを利用して物体を点ではなく領域で把持することが可能となる. この問題の解は幾何学的には不等式制約によって構成される高次元空間の凸領域の三次元空間への射影として得られる. この把持領域の探索について述べるとともに, 目的とする領域に想定したその設計法について議論する.
- Kazuyuki HANAHARA, Daisuke NAKAO and Yukio TADA, "Robot Motion Generation by Means of Human Motion Observation (Consideration on Kinematic Characteristics of Robot and Human)", Proceedings of 2008 International Symposium on Flexible Automation, Paper No. JS017, 2008.6
ロボットの動作を人間の動作の観察にもとづいて生成する手法を取扱っている. 人間の身体の運動学的特性を考慮し, 得られた画像に対応する動作を逆問題的に求めている. 得られた動作のロボットによる実現においては, 人間とロボットの間の運動学的特性の差異について何らかの形で考慮する必要がある. 本研究では, この差異の取扱いについて, 適当な動作評価規範の導入による最適化の手法を適用している. 評価規範の違いによる, ロボットによって達成された動作の違いについて検討している.
- Takao MUROMAKI, Takuma NISHIMURA, Kazuyuki HANAHARA and Yukio TADA, "Characteristic Evaluation of Trial-and-Error Optimal Design Process", Proceedings of 2008 International Symposium on Flexible Automation, Paper No. JS012, 2008.6
「根性最適化」とも呼ばれる, 設計者の試行錯誤による最適化手法は問題の数理的あるいは合理的な取り扱いが困難な状況でも適用可能な設計改善手法である. 本研究では, 二次元トラス設計問題を例題としてその特性評価を試みる. 複数の設計者の解をクラスター分析の手法を用いて分類し, このような最適解からの設計知識抽出について基礎的な検討を行った.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Human-Robot Communication with Hand-Clapping Language (Consideration from Communication Impedance Matching Viewpoint)", Journal of Computers, Vol.3, No.9, 58-66, 2008.9
人間-ロボット間のコミュニケーションを手拍子あるいは単純音で行うことについて検討している. 適用可能な通信言語について考察し, 試作したインターフェースとシミュレーション環境によってその有用性の基礎的実験を行った. また, 人間とロボットの双方にとって適切なコミュニケーション手段の評価についてコミュニケーションインピーダンスの概念を提唱し, この観点から手拍子によるコミュニケーションの考察を行った.
- K. Hanahara and Y. Tada, "Variable Geometry Truss with SMA Wire Actuators (Basic Consideration on Kinematical and Mechanical Characteristics)", Proceedings of the 19th International Conference on Adaptive Structures and Technologies, 2008.10
可変形状トラスのアクチュエータとして形状記憶合金(SMA)ワイヤ部材を用いることにより, 高多自由度でありながら軽量で単純なシステム構成が可能となる. 本研究では, 不静定トポロジのトラス構造にSMAワイヤを部材として実装することにより, SMAワイヤそれ自体には単方向の駆動しかできないにもかかわらず, 双方向の駆動による形状変化が可能となることを示した. 計算機シミュレーションを行い, このような構造システムの基本的な運動学的・力学的ふるまいについて検討する.
- Kazuyuki HANAHARA, Keisuke TAKAHIRO and Yukio TADA, "Dynamic Characteristics of Variable Geometry Truss with SMA Wire Actuators", Proceedings of the 13th Asia-Pacific Vibration Conference, CD-ROM, 2009.11
形状記憶合金(SMA)ワイヤをアクチュエータとする可変形状トラスの動特性を動力学シミュレーションにより評価している. SMAワイヤの非線形性およびヒステリシス特性を考慮した運動方程式を定式化し, 変形方向に対するSMAの剛性の依存を取扱う数値積分の手法を提案している. シミュレーション結果は, SMAとワイヤの双方の特性を顕示するふるまいを示している.
- Takao Muromaki, Kazuyuki Hanahara, Takuma Nishimura, Yukio Tada, Shigeyuki Kuroda and Tadahisa Fukui, "Multi-Objective Shape Design of Crane-Hook Taking Account of Practical Requirement", ISCM II - EPMESC XII 2009, Paper No. 269, 2009.12
- Takuma Nishimura, Takao Muromaki, Kazuyuki Hanahara, Yukio Tada, Shigeyuki Kuroda and Tadahisa Fukui, "Damage Factor Estimation of Crane-Hook (A Database Approach with Image, Knowledge and Simulation)", Proceedings of the 4th International Workshop on Reliable Engineering Computing (Robust Design - Coping with Hazards, Risk and Uncertainty), 623-636, 2010.3
クレーンフックの損傷要因を, 多数の損傷されたフックの画像と有限要素シミュレーションにより構築した知識データベースを用いて推定している. 損傷により変形したフックの画像から輪郭を抽出し, その変形要因となった荷重を求め, これにより損傷要因の推定を行っている. 得られた損傷要因分布から, フックの形状設計の改善指針が得られている.
- Takao Muromaki, Kazuyuki Hanahara, Takuma Nishimura and Yukio Tada, "Generating Optimal Solution Taking Account of Designer's Preference (An Application to Structural Design)", Proceedings of 2010 International Symposium on Flexible Automation, Paper No. JPS-2495, 2010.7
工業製品の設計においては, 強度や重量といった客観的指標に加え, 感覚や嗜好といった評価規範も重要である. 本研究では, 一般的な形状の特徴を評価する幾何学的な数理パラメータを導入することにより, 設計者の嗜好の定量化を試みている. また, 得られた嗜好を用いた構造設計についても言及している.
- 室巻 孝郎, 花原 和之, 多田 幸生, 西村 拓真, 黒田 恵之, 福井 忠久, "不特定荷重を考慮した構造物の最適形状設計 (多項式系による形状表現とクレーンフック設計への適用)", 日本機械学会論文集(A編), 76巻770号, 1241-1246, 2010.10
不特定の荷重が作用することを想定した構造物の最適形状設計を取扱っている. 形状の記述に多項式系を導入し, 荷重による変形と指定部位の変位ならびに構造重量の軽量化を評価規範とする多目的最適設計問題を構築している. 提案手法をクレーンフックの形状設計問題に適用し, 実際のフックとの比較等によりその妥当性を検証している.
- 室巻 孝郎, 花原 和之, 多田 幸生, "形状に関する設計者の選好を反映した構造最適設計", 神戸大学大学院工学研究科・システム情報学研究科紀要, 第2号, 43-49, 2010.12
設計者の試行錯誤過程により得られた構造物の特徴を反映しつつ形状最適化を行う手法を提案している. 形状に関しては, 嗜好に関する特徴を幾何モーメントとして抽出し, 最適化のための目的関数に反映させている. 構造重量に加え, 設計者の嗜好を反映するトラス構造の最適設計例を示している.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Global Buckling Has to be Taken into Account for Optimal Design of Large-Scale Truss Structure", Proceedings of the 9th World Congress on Structural and Multidisciplinary Optimization, Paper No. 142_1, 2011.6
トラス構造の設計においては部材座屈の考慮が必要となるが, 長大なトラスが全体として細長い構造を持つ場合には, 部材が座屈しない状況での全体座屈も起こり得る. 本研究では, 全体座屈の考慮の必要性を示し, 部材座屈と全体座屈の双方を考慮した場合のトラス構造最適設計例を示す.
- Takao Muromaki, Kazuyuki Hanahara, Yukio Tada and Takuma Nishimura, "Estimation of Loading Conditions of Failed Crane-hook (An Image-based Approach with Knowledge and Simulation)", International Journal of Reliability and Safety, Vol.6, No.1/2/3, 130-147, 2012.1
工事現場等で使用されるクレーンフックの荷重条件を知ることは, 工事の安全性やフックの性能向上の観点から重要である. 本論文では, 破損したクレーンフックの変形状態から破損に至った荷重条件を推定する. クレーンフックモデルの有限要素解析により構築したデータベースと破損したフックの画像解析結果にもとづき, 荷重の作用点やその向きと大きさを確率分布として求める. 得られた結果から, 荷重点はフックの真下よりもやや先端側であること等が推定された.
- T. Muromaki, K. Hanahara, Y. Tada, S. Kuroda and T. Fukui, "Estimating load condition having caused structure failure and an optimal design taking account of the estimated result", Proceedings of the 5th International Conference on Reliable Engineering Computing (Practical Applications and Practical Challenges), 387-406, 2012.6
構造物に損傷を引き起こした荷重条件 (作用箇所, 向き, 大きさ) を損傷画像と有限要素シミュレーションにより推定し, その確率分布を求める. 得られた荷重分布を考慮し, 構造物の形状最適設計を行う. 本研究では対象構造物としてクレーンフックを用い, 構造重量と変形のノルムを目的関数として考慮した, 多目的最適設計例を示す.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Inverse Kinematics of SMA-Wire Actuated Variable Geometry Truss", Proceedings of the 5th European Conference on Structural Control, Paper No. 172, 2012.6
形状記憶合金(SMA)ワイヤを用いた可変形状トラスの逆運動学を取扱っている. この場合, SMAのヒステリシス特性から, 通常のメカニズムの逆運動学とは異なり, 各アクチュエータの駆動状態のみならず, 駆動の順序も考慮する必要がある. それらを考慮した逆運動学問題の数理的取扱いを示し, 二次元および三次元の可変形状トラスによるシミュレーション例を示している.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Practicality Assessment of SMA-Wire Actuated Variable Geometry Truss", Proceedings of the 22nd International Conference on Adaptive Structures and Technologies, Paper No. 011, 2011.10
形状記憶合金(SMA)ワイヤをアクチュエータとする可変形状トラスについて, 実際的な観点からの特性を運動学・静力学・動力学シミュレーションにより評価した. SMAワイヤの駆動メカニズムとしての単純性や軽量性, ヒステリシス特性による振動吸収機能が提示され, 電気モータ等の一般的なアクチュエータの適用が困難な, 大規模宇宙構造物あるいは超小型の可変形状機構といった分野での利用が示された.
- 花原 和之, 多田 幸生, "問題の階層構造を利用した経路最適設計の一手法", 日本機械学会論文集(C編), 78巻796号, 3881-3893, 2012.12
巡回セールスマン問題に代表される経路最適設計問題は, 典型的な組合せ最適化問題である. 本論文では, 対象とする経路設計問題を階層的な観点からボトムアップ的に取り扱い, 部分構造に対する経路の抽象化による全体問題の効率的な解法を提案する. また, 計算量のさらなる低減のため, ある種の局所最適化の考え方を導入した問題の解法を示す. 具体例として複数の文字パターンによって構成される図形の描画の際の総移動距離の最小化を扱い, いくつかの計算例を示し, 提案する部分問題の抽象化による定式化および局所最適化による解法の有効性について検討する.
- Takao Muromaki, Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Multi-Criteria Shape Design of Crane-Hook Taking Account of Estimated Load Condition", Structural Engineering and Mechanics, Vol.51, No.5, 707-725, 2014.9
クレーンフックの多目的最適化を, 損傷画像から推定された荷重条件に基づいて行う. 評価規範として, 構造重量と推定された荷重分布に対する全体の変形のノルムに加え, 設定された荷重によるフック開口部の変形量を用いている. 形状関数をガウス関数によりパラメータ化し, 多目的最適化手法としてMPSOを用いてパレート最適解を得た. パレート最適に対応するいくつかのフック形状を示し, その意義について検討を行った.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Adaptive Structural Shape Refinement by Means of SMA Wire (Verification of Basic Idea via Simulation Studies)", International Conference on Adaptive Structures and Technologies, Paper No. 43, 2014.10
形状記憶合金(SMA)はヒステリシス特性を持ち, これにより, 拘束された状態での相変態によって異なる力学状態に移行し, 一度目的状態が達成された後はその維持にさらなるエネルギを消費を必要としないという特徴を持つ. また, 駆動機構等が不要であることから多数のSMAワイヤを比較的低コストで実装することも可能である. これらの特徴を利用した, 大規模宇宙アンテナの適応的精度向上の手法を提案し, 計算機実験によってその可能性を確認した.
- Kazuyuki Hanahara, "Incremental Forward Kinematics of Wire-Suspended Parallel Mechanical System (A Many-Worlds Interpretation Approach)", Journal of Mechanisms and Robotics, Vol.7, Issue 4, 041021-1 - 041021-16, 2015.11
壁面や天井から複数の可変長ワイヤによって懸吊されるプラットフォームの順運動学を取扱う. 本論文は, 任意のワイヤ数とその任意の接続位置を想定し, プラットフォームの重心位置の移動までを含めた極めて一般的な定式化を示している. このようなシステムは, 張力のみを支えるというワイヤの性質により, 運動学量のわずかな差異によって複数の全く異なる運動が実現される可能性がある. 不確定性を取扱うためのインターバル演算の適用と多世界解釈の導入による運動学計算の手法の提案によりこの問題を取扱った. 複数の計算例により, 提案手法の意義を確認した.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Structural Damage Identification by Means of Neural Network (Evaluation of Identification Capability)", Proceedings of the 11th World Congress on Structural and Multidisciplinary Optimization, Paper No. 1396, 2015.6
構造物の損傷の部位および程度の同定を全体としての特性変化にもとづいて行う. 階層型ニューラルネットワークの学習機能を用いて構造損傷と動特性変化の間の関係を実現し, 観測された動特性変化に対応する損傷部位の同定を重み固定の誤差逆伝播により逆問題的に行っている. 本研究では, 二次元トラス構造を対象とした包括的な数値実験によって提案手法の損傷同定能力を検証し, その実用性を確認している.
- Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Proposal of Clustering Approach Based on Structural Mechanics (An Application of Multi-Dimensional Truss)", Proceedings of the Ninth International Conference on Advanced Engineering Computing and Applications in Sciences, 83-87, 2015.7
データクラスタリングを, データ集合に対応する構造物の自然な壊れ方にもとづいて行うという観点から取扱っている. 具体的には, 高次元データのクラスタリングを, データ点を節点としたトラス構造の破断によって行う. 一般次元のトラス構造の剛性マトリクスおよび静力学関係式を導出し, 万有斥力の導入によって破断過程を模擬した. 提案手法によるいくつかのデータ例のクラスタリングの結果から, このような手法によって自然な様式でのクラスタリングが可能となることを示した.
- Kazuyuki Hanahara, "Incremental Inverse Kinematics of Wire-Suspended Parallel Mechanical System Taking into Account Many-Worlds Situation", Mechanical Engineering Research, Vol.5, No.2, 24-36, 2015.8
ワイヤで懸吊されるプラットフォームは, ワイヤ長やプラットフォーム重心位置のわずかな差異によって異なる運動学的状態をとる可能性がある. それらの可能性をインターバル演算によって取扱い, 全ての可能性を考慮する逆運動学について検討している. この場合, 制御量としてのワイヤ長変化は共通であるが, 可能性として存在する運動学的状態は複数である. このような逆運動学問題を最小化問題として定式化し, その解法を示している. 誤差を仮定した二値張力センサを想定した計算機実験を行い, 提案手法による動作生成の有効性を確認した.
- Xuan Zhang, Kazuyuki Hanahara and Yukio Tada, "Dynamic Characteristics of Hanging Truss Having SMA Wires (Vibration Isolation and Absorption Points of View)", International Conference on Adaptive Structures and Technologies, Paper No. 071, 2015.10
形状記憶合金(SMA)ワイヤを部材とするトラス構造が吊下げられた状態で対象物体を支持している場合, ワイヤとSMAの力学特性によって, ベースからの振動の遮断や軽減, 振動の速やかな減衰といった効果が期待できる. このような機構を提案し, その可能性について検討を行った.
- Kazuyuki Hanahara, Xuan Zhang and Yukio Tada, "Dynamic Simulation of Adaptive Truss Consisting of Various Types of Truss Members", Mechanical Engineering Research, Vol.6, No.1, 75-87, 2016.6
適応トラスは何らかの機能を持つトラス部材によって構成される. その力学的ふるまいは実装されているトラス部材の特性によって変化する. 本論文では, 様々な特性のトラス部材の実装を想定した適応トラスの動力学シミュレーションを取扱っている. ワイヤ, ダッシュポット, 形状記憶合金等によるトラス部材を想定し, それら全てを考慮した一般的な形式での運動方程式の定式化を行い, その数値積分を導出している. いくつかの動力学シミュレーションを行い, 適応トラスの動的ふるまいの多様な可能性を示した.
- Takao Muromaki, Yuki Minami, Atsushi Suda, Kazuyuki Hanahara, "An Improvement of Stress-Ratio Method by Using Excess and Deficiency Information on the Stress", Proceedings of Asian Congress of Structural and Multidisciplinary Optimization 2016, Paper No. 68, 2016.5
解説記事
- 花原 和之, "可変形状トラス(VGT)の多彩な動作", システム/制御/情報, Vol.45, No.2, 82-89, 2001.2
可変形状トラス(VGT)はトラス構造物の部材を可変長アクチュエータに置き換えることにより構成される機械システムであり, 軽量, 高剛性, 高冗長自由度といった特性を持つ. 本稿は, VGTの研究を主としてその生成される動作の観点から解説したものである. また, 運動学関係式および評価規範にもとづく動作計画問題の一般的な取扱いについても述べている.