ごあいさつ
小野寺英輝
近年、地球環境の保全の観点から再生可能エネルギーへの期待が高まっています。その中でも大型風力発電と太陽光発電は最近急速に設置がすすめられています。この二つの間で、風力発電は、夜間も発電が可能であるという特性から、単位期間あたりの総発電量の定格出力に占める割合(稼働率)が太陽光発電の2.5~3倍となりますので普及の促進が求められています。
ところが、大型風車の周辺で騒音振動に伴うとされる不快感の訴えも発生しています。当研究室の第一の課題はこうした訴え(アノイアンス)の背景にある風車の立地場所の特性を明らかにし、今後のアノイアンス発生を抑えるための方策を調査することです。
第2の課題は、自然災害などで電力が遮断された場合の非常用電源としての小型風車の性能向上と騒音低減です。この課題が解決されていけば都市空間内での活用を促進していけると考えられます。
第3の課題は、四方を海に囲まれたわが国で、活用が期待される海洋エネルギーのうちでも波力発電に用いられることが多いウェルズズタービンの研究です。このタービンは回転数が大きく騒音が運転上の課題となるのでその低減に取り組んでいます。
また、研究室としての課題ではありませんが、私の担当教科に関連する研究として、明治日本の産業革命遺産などの技術史工学史に関する研究、技術者の倫理にかかわる課題の研究に取り組んでいます。