数値解析

数値解析とは

高校までの数学や物理などで勉強したような連立方程式や微分、積分、級数などを簡単な数式で表されるものを代数的または解析的に解くことを解析計算と言います。 しかし、社会で起こる問題や自然界の多くの現象を計算するには、代数的または解析的に解くことが困難であったり、手計算では不可能なほど膨大な計算を行わなければならない問題や現象を解くことが求められます。 このような問題や現象を扱うためには、一般的なコンピュータより大規模で高速な計算能力を有するスーパーコンピュータを使って数値的に解く必要があります。 このようにコンピューターを使って、半ば強引に計算で解を導くことを数値解析と言います。 数値解析は様々な手法が開発されており数値積分、数値微分、数値積分方程式の解法、線形代数の数値解法、非線形方程式の数値解法、常微分方程式や偏微分方程式の数値解法などがあります。 様々な手法が開発されるのと同時にコンピュータの性能が向上していくことで、多くの分野で数値解析が応用されるようになりました。例えば、自然科学、工学、経済学、金融工学、医学、気象学、素粒子物理学、音響工学、制御工学、通信工学などで活用され、私たちの生活に大きな影響を与えています。




数値流体力学

当研究室では、流体に関する数値解析である数値流体力学(Computational Fluid Dynamics、略称:CFD)を用いて「空力騒音の解析」、「タービンの研究」、「圧縮機に関する研究」などの問題に取り組んでいます。 数値流体力学は、常微分方程式や偏微分方程式で支配される流体に関する方程式を差分法(FDM)、有限体積法(FVM)、有限要素法(FEM)、境界要素法(BEM)といった数値解法を用いてコンピュータで解くことによって流れをシュミレーションして観察し、新しい法則の発見および機械設計に必要な情報を得る学問のことです。 解析手順としては、格子生成→生成した格子をもとに解析→計算結果の表示しわかりやすく可視化の順に行っていきます。コンピュータの性能向上とともに飛躍的に発展し、航空機・自動車・鉄道車両・船舶・血流等の流体中を移動する機械および建築物の設計をするにあたって風洞実験に並ぶ重要な存在となっています。




格子ボルツマン法(LBM)とは

本研究室では数値解析を用いて空力騒音の発生原因や低騒音化技術の開発に取り組むうえで、数値流体力学(CFD)手法の1つである格子ボルツマン法(LBM)を用いています。 格子ボルツマン法(LBM)とは、流体を仮想粒子の集合体と考え、粒子同士の衝突や並進運動を繰り返し計算することによって、マクロな流体運動の解析を行うことができます。 並列計算に適しているため計算時間を短縮できる・流れ場と音場の同時解析ができるなどの利点をもっています。