今年も2月に卒業研究発表会が行われました。我々の研究チームからは2名の学生さんが発表でした。そのうち、1名の方は大学院に進学されるということもあり、発表会直前まで英文論文を書いて頂いていて、発表の準備自体は数日前からとりかかるという状態でした。英文論文を書けるだけの準備と考察能力があれば、卒業研究発表会などわずか8分なのですから、楽勝のはずです。私が過去に指導した学生さんでも、その後研究の道に残ろうというような力のある方々はそのように、楽々クリアーされた方が多いです。

 加えて卒業論文も同じです。その後、研究に進もうと考えておられる方は(大学でも研究所でも企業でも)卒業論文の時点で、ある程度英文論文にまとめるだけもしくは、まとめた状態であることが望ましいです。今年に大学院に進学する方も、卒論の締め切りまでに英文学術論文を国際雑誌に投稿し、投稿した英文原稿そのものが卒論になるということになりました。

 私の指導下の学生さんたちは早すぎるとか、そんなの無理だと言われる方も多いです。しかし私が関わった学生さんでは(母数は少ないですが)、現在までに3例はそのような方々でした。一方、そこまで行けなかった方々では残念ながら、一般企業であっても研究の職についておられる方は誰もおりません。修士に進学される際に大きく研究内容を変える方もおられますので、完全に一般化はできないでしょう。しかし研究職に進もうかと迷っておられる方がたまにおられて、相談を受けることも多いのですが、個人的には、修士2回生の冬までに英文論文を出せているかどうかという辺りで研究関連に進むかどうか決めてはどうでしょうかとお返事するようにしています。

 しかし若い学生の方々は無限の可能性を持っています。私自身も修士まで「学年で一番実験がヘタで、どんくさい」と酷評されていました。東北大に着任することになって、大学時代の恩師の後藤先生に論文の別刷りと一緒に訪問させて頂いた際には、「学生時代からは本当に分らないものだ、あなたは代表的な例だよ」と言われました。褒めて頂いたのかお叱りの激励か判断が難しいところです。私の関わった学生さんたちからも、「学生時代から随分変わりましたね」と言える、化ける学生さんが出ることを楽しみにしています。

 写真は必死で質疑応答される今年の学生さんです。頑張っておられます。


 

卒業研究発表会と卒業論文

2013年3月23日土曜日

 
 

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