岩手大学 理工学部 理工学科 数理・物理コース
当研究室は、物質が示す性質(物性)の新規開拓とその起源の解明を行う「物性物理学」の分野に属しています。 中でも「高圧力」「強磁場」「極低温」という、実現すること自体が難しい過酷な環境の発生と、その中での精密な物性測定を得意としています。 詳しくは研究紹介を参照してください。
研究の動機は多くの場合「誰も知らない物質の姿を探し出したい」「なぜそのような不思議な振る舞いが現れるのかを理解したい」というところにあり、得られた知見がすぐに社会の役に立ったり、製品化されたりすることは稀です。 しかし、今では当たり前に応用されている超伝導現象も、100年以上前の極限的な低温実験で発見されました。 革新的な技術への手がかりは、多くの場合、新しい現象や知識の発見から生まれてきたと言えます。 当研究室が舞台とする極限環境は、簡単に立ち入れない領域であるがゆえに、新しい発見の宝庫であると考えています。
当研究室は、実際の物質を対象とした実験を主体とし、その結果を理解するために理論計算(数値計算)を積極的に活用します。 研究を構成する要素には「対象物質を作る」「オリジナルの測定技術を開発する」「物性を精密・正確に測定する」「理論計算を行って実験結果を理解する」などがあり、どれをとっても、ひとつ完遂することさえ容易ではありません。
学部4年生には、教員や先輩のサポートのもとで、これらの要素の一部に取り組んでもらいます。 大学院生には、学部での知識と経験を総動員し、自分自身でできる領域を少しでも増やしていくことを期待します。 4年生の1年間だけで科学的に新しい成果を得ることは極めて難しいですが、大学院を含めれば(取り組み方次第で)十分可能です。 本格的な研究活動に興味がある人には、大学院への進学をお勧めします。
研究テーマは、それぞれの興味関心・得意分野・卒業後の希望進路などを考慮して決定します。 ただし、テーマの進捗状況や研究室全体のリソース配分などの都合により、希望通りにならない場合があります。 配属を希望する際は、特定のテーマだけでなく、当研究室の大きな方向性、すなわち「極限環境下における誰も見たことのない物質の姿を発見し、その発現機構を解明する」ことに興味をもてるかを確認してください。
研究に必要な知識や経験は配属後でも十分に習得できますが、次のような素養があると役立ちます。
言い方を変えれば、当研究室ではこうした知識や経験を得る機会が豊富にあります。
コアタイムは特に定めていませんが、平日の昼間は研究室に来ているか、連絡が取れる状態であることを前提としています。 アルバイトや課外活動にも制限はありませんが、平日に定期的に、あるいは長期間休む必要がある場合は、事前に連絡してください。 ただし、研究室にいない時間が多いほど、研究に関連する学びや経験の機会を逃すことになる点は自覚しておいてください。
研究室は2つの実験室(物性測定室と試料合成室)・学生居室・教員居室からなります。 学生居室は配属直後から勉強やデータ解析に使うことができ、学生1人につき1つの机が割り当てられます。冷蔵庫や電子レンジなども利用できます。 教科書輪講やミーティング、発表練習は、学生居室のホワイトボードや大型ディスプレイを用いて行います。 実験室は、装置の基礎知識と安全な運用方法を十分に理解した上で使用します。慣れないうちは教員や先輩が付くので心配はいりません。 教員居室は物性測定室のほぼ正面にあり、実験や装置について分からないことがある場合や、データについて議論したい場合は、気軽に訪ねてください。
数理・物理コースの研究室配属は、例年次のような流れで行われます。
2回の研究室訪問のうちメインは1回目で、2回目は補助的な位置づけとなっています。 3年生後期終了から4年生前期開始の間に、配属のスケジュールが比較的密に組まれていることに注意してください。 これより早く研究室を訪問したい場合は、下記の連絡先までご連絡ください。
当研究室に限らず、できるだけ多くの研究室を実際に訪問することをお勧めします。 3年次修了時点の知識・経験だけで希望分野を極端に絞ることは、自身の可能性を狭める早計な選択になりかねません。 また、研究室の雰囲気や教員・先輩の様子は、実際に訪問しない限り分かりません。 この先1年以上、その研究室で(研究に限らず)生活するイメージがもてるかを、広い視点で見極めてください。
配属後は、前期に研究に必要な知識と技術を習得し、後期に卒業研究に取り組みます。 通年で週1回程度の教科書輪講を行うほか、前期には必修科目の「専門英語セミナー」(英語の研究論文を1つ選び、その内容を要約してプレゼンテーションする)に取り組みます。 後期は2月の卒業研究発表会に向けて、本格的な研究活動を行います。 発表会で求められるのはプレゼンテーションのみですが、当研究室では卒業論文も提出してもらいます。 科学的・論理的な文章を書く力が重要だと考えているためです。
当研究室で大学院生になるには、理工学専攻の大学院入試(一般入試・推薦入試など)に合格する必要があります。 詳しくは大学院入試情報を参照してください。
大学院への進学は、今後の進路を見つめ直す数少ない機会でもあります。 4年生で所属した研究室にそのまま進学するのは一般的ですが、配属直後に思い描いていたことが、新たな知識と経験によって変わることは十分にあり得ます。 そのため、進学を機に当研究室から別の研究室へ移ること、あるいはその逆も可能です。 ただし、研究室の定員により希望通りにならない場合もあるため、事前に相談してください。
修士課程では、修士論文の提出と発表会に向けて、2年間にわたり自身のテーマに自律的に取り組んでもらいます。 月2回程度の進捗報告に加え、コースの規定により副指導教員(他研究室の教員)への進捗報告がおよそ半年に1回あります。 研究が進むと学外の大型施設での実験が必要になる場合もあり、そうした機会にも積極的に取り組んでもらうことを期待します。 また原則として、修士課程の間に1回以上、学外での研究発表(全国規模の学会・研究会・ワークショップなど)を行ってもらいます。 なお、研究とは直接関係しませんが、学部の実験科目の運営には大学院生の協力が欠かせません。 そのため、少なくとも修士1年の後期には、実験科目のTA業務(有給)をお願いしています。
学部生と大学院生に共通して言えることですが、これほど自由かつ良質な環境で、これほど多くの時間を一つのことに集中できる期間は、後にも先にも訪れないと思います。 ぜひ今しかできないことは何かを考え、それを最大限楽しんでください。 研究室としても、できる限りのサポートをしたいと思っています。
下記までご連絡ください。
akb_at_iwate-u.ac.jp ("_at_" = "@")