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カーボンナノチューブにおける励起子とプラズモンの相互作用 |
キャリア注入したカーボンナノチューブと微小なエネルギーギャップの半導体カーボンナノチューブの励起状態を調べました。これらの系の光応答では、電子と正孔の束縛状態である励起子と、電荷の集団運動であるプラズモンの両方が重要な役割を果たすことを明らかにしました。
例えば、10 meV 程度の小さなエネルギーギャップを持つ半導体ナノチューブの光吸収スペクトルには遠赤外領域にピークが現れますが、これは、ナノチューブの長さが十分長い場合には励起子に起因し、短い場合にはプラズモンに起因する可能性があることを明らかにしました。この原因は、励起状態の波数が増大するにつれて、強い光吸収を示す励起子がプラズモンへと遷移するからです。
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狭ギャップ半導体 (18,0) ナノチューブの励起状態の波数依存性。斜線部分は一粒子励起の連続状態、点線は励起子、実線はプラズモンのエネルギーを表します。背景の色は、光吸収強度を特徴づける電気伝導度の実部を示します。波数零において最低の励起エネルギーを持つ励起子は、波数の増大につれてそのエネルギーを増大させ、矢印で示した波数において連続状態に侵入しプラズモンへと遷移します。強い光吸収はこの励起子からプラズモンへの遷移に沿って現れます。一点鎖線は長波長極限におけるプラズモンエネルギーの解析解を表します。 |
文献 |
S. Uryu, Phys. Rev. B 97, 235413 (2018). |
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