グラフェンナノリボンにおける励起子とプラズモン:カーボンナノチューブとの比較

グラフェンナノリボンはリボン形状のグラフェンです。グラフェンナノリボンの励起子とプラズモンをカーボンナノチューブの場合と比較して調べました。図は半導体アームチェアグラフェンナノリボンという構造の光吸収スペクトルで、(a) 励起子、(b) バンド間遷移のプラズモン、(c) バンド内遷移のプラズモンによるピークを示します。横軸のエネルギーを適当にスケールすると、グラフェンナノリボンのピークエネルギーはカーボンナノチューブのそれとおおよそ一致します。これは両者のエネルギーバンド構造がエネルギーと波数の適当なスケールによって一致するためです。


グラフェンナノリボン(赤線)とカーボンナノチューブ(青線)の光吸収スペクトル。グラフェンナノリボンの幅(W)は 5.5 nm であり、カーボンナノチューブの周長(L)は L=W/2、W としています。(a) 電荷注入していない場合の平行偏光によって励起される励起子吸収ピークを示します。 (b) 第二バンドまでキャリア注入した場合の垂直偏光で励起されるプラズモンによる吸収ピークを示します。 (c) 第一バンドまでキャリア注入した場合の並行偏光で励起されるプラズモンによる吸収ピークを示します。


文献
S. Uryu, Phys. Rev. B 102, 155409 (2020).

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